Naoko Nakajimaのブローチは陶土~半磁土を使っています。
カラフルでポップな色合いは、若いお嬢さんが陶芸に持っているイメージ
「陶芸」=「おじいちゃんぽい渋さ」のイメージを覆そうと、思い選んでいます。
というのは、私も若かりしころそうだったからです(笑)
20代のころ大学のサークルで陶芸をしたり、瀬戸まで陶芸教室に通っていたのですが、
なんで釉薬は渋い色ばかりなんだろう・・そう思っていました。
やがて、仕事が忙しくなり、陶芸教室は遠ざかりました。
20代後半にCGデザイナーの仕事がハードすぎ、右手を痛めてしまい、手を使った趣味ができなくなりました。(30代前半の手術で7割がた復活)建築やインテリアを凝るのがマイブームになり、TOKYO DESINER WEEK東京、全国の建物探訪、インテリア雑誌のモダンなインテリアで部屋を統一していました。
柳宗理や北欧デザインのアラビア陶器など、工業的なカラフルな磁器など揃えていました。
退職して38歳で瀬戸の窯業専門技術学校に入学して、私より10歳くらい若いお嬢さんが、六古窯を訪ね、きゃっきゃとはしゃいでいたのが最初は驚きでしたが、一緒に工房見学をしたり、一晩中燃え続ける登り窯をみたり・・
1年の間、専門的に陶芸を学ぶうちに大好きになりました。「民藝」にすっかり虜です。
陶器の手作りの器たちは使うたびに味を増していきます。貫入の変化。ちょっとした欠けも可愛いのです。
(金継ぎにしたら素敵です)それは変化を一切寄せ付けない磁器とは異なります。そして、和食料理との相性抜群です。家のインテリアも和風レトロなものが増えていきました。
私の作るものは、モダンと民藝の架け橋のような存在であればいいな。
ろくろを使った器作りにはとても憧れるのですが、右手の関係で指先の力仕事ができません。そうして、行き着いたのが小さなものづくりです。
経験不足のことが多くて、カラフルなブローチは、なかなか思った通りの色の仕上がりになるのに、時間がかかります。
釉薬は見た目と焼き上がりがかなり違うので、実験とテスト、そして想像しながら描きます。時間をかけて形を作ってもすっかりダメになってしまうことも。
綺麗な色は、高温になる程、色が飛んでしまいやすく、何度も実験を重ねていい塩梅になるようにしています。
土の種類や釉薬、塗り方、窯によっても違います。
アクリル絵の具とかで、それっぽく色をつけたらとても楽チンなのですよ・・・。
でも!
扱いが難しい素材の陶器なのですが、1200度の窯から出た時の煌めきや、貫入の音や、なかなか思い通りになってくれない不安定さの魅力にとりつかれてしまっています。
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