ご縁あって何万ピースものテストピースを保管する研究機関にお邪魔しました。
ピースの入った引き出しが図書館のように整然と並んでいます。
釉薬には名前が付いている(飴釉薬、黄瀬戸、織部、伊羅保、青磁などなど)。
実は様々な微妙な配合によるもので、こういう雰囲気は何釉薬っぽいよねと名前をつけただけのものなのですね。
ちょうど研究員さんがこの釉薬は黄瀬戸かな、伊羅保っぽいよね、と分類しているところでした。粉末が数パーセント変わるだけ、土や温度、焼き方でもで色が変わっていきます。
調合したものに名前をつけていく・・・。
出来上がったものは、ほんとうに様々な風合いがあって綺麗で面白くて何日もいられそうでした。
昔のものは自然の材料から調合されているけど、現在のピースは化学式で何の材料をどれだけ入れるという(ゼーゲル式)実験で書かれています。その式を使うと料理でいうと、この味は何と何と何が何パーセントずつという情報が得られます。
自然のものなので、その他の要因もあり、今見ているものと同じようにでるとは限らないので、実験が必要ですね。
釉薬や原料屋さんは不安定な材料から、いつも同じようになるように調合してくれてくれている・・・。
改めて、ありがたいな〜と思いました。
テストピースを眺めていると、海をながめているように、様々な綺麗なものがあり、いつまでも飽きないです。
学校の先生が、釉薬に手を出すと海のなかの探し物のようと言っていました。
後ろ髪を引かれながら釉薬の海には短い時間での来訪となりました。